自由研究のマインドセット

日々の疑問を生活のスパイスに

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

フナ09 【フナのいる里山】兵庫に旅行する前に読む・コウノトリというアイコン

この記事は、兵庫県豊岡市のコウノトリの野生復帰にフォーカスします。カニと温泉だけではない豊岡市だけの魅力です。 水田のフナ 水田にフナがいると言えば、すぐに長野県を思い出します。長野県佐久市では、食用のフナを水田に放流する「水田養殖」が行わ…

フナ08【鮒を食べる文化】長野旅行の前に読む・時代先取りの水田養殖

私の住んでいる徳島県では、田んぼの中で小さなフナが泳いでいるのを時折目にすることがあります。用水路からフナが紛れ込んで、田んぼで大きくなったのでしょう。 ところが積極的に田んぼでフナを飼っている地域があります。 長野県です。 それではまず、そ…

フナ07【鮒を食べる文化】香川旅行の前に読む・池の水を抜く郷土料理「てっぱい」

唐突ですが、日本で一番小さい県をご存じでしょうか? 答えは、四国の香川県です。 以前は大阪府が一番小さい都道府県だったんですが、大阪湾の埋め立てや関西国際空港の開港によって、一番小さい県が香川県になりました。 そんな香川県ですが、平地が多く、…

フナ06【鮒を食べる文化】鮒ずしから見る寿司文化の旅

皆さんの中で「鮒の代表的な料理」とは何でしょうか? 多くのヒトが「鮒ずし…かな?…食べたことないけどね…」と答えるのではないでしょうか? 確かに「鮒ずし」はTVなどで紹介されたりしていますが、「これのどこが寿司なんだ?」という風貌をしています。 …

【ウナギの完全養殖】価格と絶滅危惧種からの回復

毎年のようにウナギの稚魚であるシラスウナギの漁獲量が新聞やTVで話題に上がります。 それだけ日本人の生活にウナギは欠かせない食べ物だという事です。 ウナギは減少している 二ホンウナギはIUCN(国際自然保護連合)の「レッドリスト(絶滅の恐れのある野…

フナ05【金魚との関わり】生態と歴史、科学、芸術

「川に返った金魚は三代でフナになる」 漫画家・安野モヨコさんが原作の「さくらん」でのセリフです。 ストーリーの中では「遊女として綺麗で居られるのはヒトに飼われているから」という意味で使われているのですが、金魚の先祖はフナですから言い得て妙で…

フナ04【フナを食べる文化】フナの刺身と煮つけ

私は以前、滋賀県に宿泊した際に、ニゴロブナの刺身を食べたことがあります。 ニゴロブナはヘラブナの原種であるゲンゴロウブナと同じく、琵琶湖の固有種です。そして、ゲンゴロウブナに似ているから「似五郎鮒」と言われているという説もあります。 茹でた…

フナ03【フナを食べる文化】滋賀旅行の前に読む・縄文時代のフナ食

今回はフナと人類の食文化との関わりを考えてみたいと思います。 しかしながら、ヘラブナを釣って、それを食べているというヒトはこれまで聞いたことがありませんし、 スーパーの魚屋さんでも、ほとんど見たことがありません。 私も岡山県と滋賀県のスーパー…

フナ02【クローンで増える生存戦略】ギンブナ

今回のフナの生態は、ギンブナのクローン増殖について語りたいと思います フナで「クローン」とか言われますと、不思議な感じを受けるかもしれませんが、彼らにとっては日常です。 クローン技術とは クローン技術とは生き物のコピーを作る技術で、体細胞核移…

ヘラブナの生態01 【ヒゲもないし、胃もない】

世界のフィッシングメーカーSHIMANOさんの魚拓カレンダー(2020)の4月は「へら鮒」です。 ヘラブナはもともと、琵琶湖の固有種であるゲンゴロウブナの突然変異種です。 ゲンゴロウブナは140万年~40万年前の第四紀更新世の琵琶湖の地層からも化石が出るぐら…

アマゴの生態12【まとめ】特徴・生態・生態系・進化・食事・感染症

このブログではシマノフィッシングカレンダーから魚をピックアップしまして、その生態を紹介しています。 3月の魚はアマゴでしたが、この記事では過去に連載しました11回を1ページにまとめました。 シマノカレンダー3月の魚拓「雨子」 アマゴの特徴 アマゴは…

【きりみ・長嶋祐成】子供と読みたいサケの絵本、リアルなのにかわいい

私は魚の生態に関わるブログを運営しておりますので、書店にて魚に関する本を日々物色する生活です。 その中で、「ああ、子供と読みたいなー」とおもった絵本がありました。 魚譜画家の長嶋祐成さんの絵本【きりみ】です。 絵本『きりみ』は、全国学校図書館…

アマゴの生態11【サケ類とウナギの進化】遡上はするが…起源は異なる

今回はアマゴやサケと言ったサケ類の生活史にフォーカスをしながら、彼らが「どのような進化をしてきたのか」と、同じく海と川を行き来する「ウナギとの違い」を考えてみたいと思います。 サケ類は先祖はどこから来た?海か川か? 海と川を行き来するサケ類…

アマゴの生態10 サケ類は産卵後に死んで、森に帰る【生態系の循環】

以前の記事では、アマゴを含めるサケ目サケ科の仲間たちは、川に残る「陸封型」と海にでる「降海型」に分類できる事と、海にでる「降海型」の個体は海に出て数年の後に川に遡上することを紹介しました。 下の表には、サケ類の分類と降海から産卵に関する表を…

アマゴの生態09 魚もワクチンで予防接種【感染症の話】

前回の記事では魚たちもウイルスなどの感染症にかかると紹介しました。 外来種は悪者?【感染症の話と養殖への影響】 shigehara-nishiki.hatenablog.com 今回はそんな、魚たちが感染症と戦うためのワクチンに関して紹介したいと思います。 えっ、魚にワクチ…

アマゴの生態(番外編) 外来種【外来種が持ち込んだ感染症の話】

以前の記事、アマゴの生態04では、ニジマスが外来種であることを紹介しました。 アメリカから輸入されたものが北海道に定着 アマゴの生態04 遡上する運命のサケ目サケ科 - 自由研究のマインドセット 今回の記事では、外来種とそれが持ち込んだ感染症にフォー…

アマゴの生態08 神戸大学・佐藤拓哉先生の視点が深オモシロい【ハリガネムシの話】

前回の記事では寄生虫の話をしました。 寄生虫のリスクはもちろんゼロではない shigehara-nishiki.hatenablog.com 今回はアマゴの住んでいる「渓流と森」に関するお話で、神戸大学・佐藤拓哉先生の研究に関してです。 佐藤先生は陸地に住むコオロギのような…

アマゴの生態07 お刺身が不安な方へ、寄生虫の話

以前の記事(アマゴの生態05)では、アマゴのお刺身を食べた話をしました。 養殖のアマゴのお刺身はピンク色 shigehara-nishiki.hatenablog.com 養殖アマゴのお刺身は、ピンク色でサケの仲間である事がわかります。 もちろん、食べる前に「寄生虫のリスク」…

アマゴの生態06 サケ類が白身でも泳ぎ続けられる理由

前回の記事(アマゴの生態05)では、赤筋と白筋のお話をしました。下のリンクはその記事です。 アマゴは白身 shigehara-nishiki.hatenablog.com その記事を書きながら思ったこと(納得した事)があります。 ● 感想1:マグロは回遊しているから酸素がたくさん…

アマゴの生態05 お刺身は何色? ピンク色か白色か

以前の記事で、パーマークのない魚たちで記載しましたが、私の住む四国にはアメゴの養殖場・釣り堀があります。(下はその記事のリンクです) shigehara-nishiki.hatenablog.com 釣り堀なのでたくさん釣れるのですが、塩焼きにして食べるのは2匹ぐらいまでな…

ウナギの稚魚(シラスウナギ)漁好調で今期終了【2020年ニュース】

2020年4月に嬉しいニュースが公表されました。 春らしいシラスウナギ漁のニュースで、今年のシラスウナギ漁が好調であった事を伝えています。 全日本持続的養鰻機構と日本シラスウナギ取り扱い協議会が水産庁にシラスウナギの捕獲停止を全国に指導するように…

アマゴの生態04 遡上する運命のサケ目サケ科

以前の記事では、アマゴは淡水で生活している成体(大人)であり、サツキマスは川から海へ出た成体であると紹介しました。 専門用語では「陸封型」と「降海型」と呼ばれています。つまり陸封型がアマゴで、降海型がサツキマスです。 サケ目サケ科の仲間たち …

アマゴの生態03 パーマークのないアマゴたち

私の住む四国には、アマゴの養殖場・釣り堀があります。釣り堀ですから、とにかく釣れます。10分で20匹とか連れてしまいます。 その中で、アマゴの特徴であるパーマークのない個体も数匹見ました。 注意)パーマークに関しては以下のリンクを参照ください。 …

アマゴの生態02 幼形成熟する生物

前回の記事では、アマゴとサツキマスは同一の種であり、アマゴは淡水で生活している陸封型の成魚(大人)で、サツキマスは川から海へ出た降海型の成魚であると紹介しました。 パーマークが消えたら shigehara-nishiki.hatenablog.com それでは、陸封型のアマ…

アマゴの生態01 パーマークが消えたら…

SHIMANOさんの魚拓カレンダー3月の魚はアマゴ(雨子)です。 ヤマメ・イワナ・ニジマスとともにサケ属に分類されます。 そして、私が生活をしております四国では、アメゴ(雨子)と呼ばれています。 雨が降ると活性が上がるために、そう言われているらしいで…

コブダイの生態05 姉妹であり、夫婦か? その答えは…

「姉妹であり、夫婦であるのか・・・?」の続きです。「生態02」からの続きです。疑問の提起に関しては以下のリンクを参照ください。 shigehara-nishiki.hatenablog.com さて、「姉妹であり、夫婦であるのか?」の疑問に関してですが、魚類の専門家の解答を…

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