アマゴの生態05 お刺身は何色? ピンク色か白色か
以前の記事で、パーマークのない魚たちで記載しましたが、私の住む四国にはアメゴの養殖場・釣り堀があります。(下はその記事のリンクです)
shigehara-nishiki.hatenablog.com
釣り堀なのでたくさん釣れるのですが、塩焼きにして食べるのは2匹ぐらいまでなので、残りは持ち帰りとなります。そんなときに釣り堀の管理人の方がお刺身を作ってくれました。
きれいなピンク色でサケの仲間である事がわかります。トロっとしているのにコリコリとした食感で本当においしかったです。
しかし、このピンク色のアメゴ、赤身魚ではなく、実は白身魚に分類されます。
それではその分類はどこからくるのでしょうか?
白身と赤身の一般的な定義
白身と赤身を分けるものは筋肉内のミオグロビンというタンパク質の含有量の違いです。つまりミオグロビンが赤色の源で、多いほうが赤身になるという事なんです。
ミオグロビンは酸素と結合して、筋肉に酸素をためる性質を持っています。
例えば回遊し続ける(有酸素運動をする)マグロなどは、ミオグロビン量が多い筋肉(赤筋)が比較的多いので全体としては、赤身になります。
一方で、餌が口元に来るのをまって、その瞬間に一気に襲いかかる(無酸素運動をする)ヒラメなどは、ミオグロビン量が少ない筋肉(白筋)が多いので全体としては、白身となります。
一般的には「ミオグロビン量が100gあたり10mg以上なら赤身」という定義があると記載されているページがあるのですが、これは学術上の定義ではなく、赤身と認識されている魚のミオグロビン量の下限がそのくらいだったという事です。
(海外では、Fat FishとLean Fishに分類して、脂肪量を定義の基準としています)
それではアマゴの身がピンク色なのは何故でしょうか?
ピンク色は餌の色素が蓄積するから
サケ類の身がピンク色なのは、カニやエビに含まれるアスタキサンチンという色素物質が蓄積しているからです。フラミンゴがピンク色になるのと同じですね。
アマゴの餌は主に昆虫で、アスタキサンチンを含んでいないのですが、上の写真の養殖場では餌の中にアスタキサンチンが含まれている餌を使用しているので、ピンク色になっています。
一方で、野生のアマゴはカニやエビを食べる可能性は低いので、アスタキサンチンを摂取できません。つまり白いです。この記事を書くために野生のアマゴ釣りに出かけたのですが、釣れなかったため、下のリンクをご覧ください。
身がきれい!白い!
そして、白身魚のアマゴですが、アマゴの降海型であるサツキマスになりますと、海に出たために食性の変化が変化しますので、それに伴い身が薄いピンク色になってきます。
つまり、アマゴとサツキマスは同じ種類ですが、野生の世界では、陸封型のアマゴは白く、海に出ていく降海型のサツキマスはピンク色という事になります。
追伸
私たちはサケの身がピンク色である事に慣れていて、刺身でも火を通してもピンク色であるという認識がありますが、アマゴはそうではありません。
私の捕獲した養殖アマゴはアスタキサンチンを与えてもサケのピンク色には程遠く、塩焼きにして火を通してしまうと真っ白になってしまいました。
まとめ
・サケ類は白身