フナ04【フナを食べる文化】フナの刺身と煮つけ
私は以前、滋賀県に宿泊した際に、ニゴロブナの刺身を食べたことがあります。
ニゴロブナはヘラブナの原種であるゲンゴロウブナと同じく、琵琶湖の固有種です。そして、ゲンゴロウブナに似ているから「似五郎鮒」と言われているという説もあります。
茹でたフナの子をまぶしたお刺身で、純粋においしいと思いました。
個人的には真鯛よりもおいしかったです。
もちろん、
一般的に「淡水魚には寄生虫がいるから生食はダメ」という常識は知っていましたが、その宿の実績を信じて食べさせて頂きました。
もう一度食べてみたいと思います。
しかしですね。自分で沼や川で釣ったフナを「生で」食べるのはやめてください。やはり、寄生虫の心配があります。
それでは、怖い寄生虫の例として、どのような例があるのでしょうか?
北大路魯山人とフナ
言わずと知れた明治生まれの陶芸家であり、美食家です。漫画「美味しんぼ」の海原雄山のモデルでもあります。
彼は、フナの洗いが好きで、著書「魯山人味道」の中では、このような記述を残しています。
「こいとふなでは格段にふなが美味く…」
「格段」というほどですから、これは、かなりのフナ好きですね。魯山人はよく、フナを刺身を湯舟にくぐらす「洗い」を食べていたようです。
そして、魯山人の死因ですが、肝吸虫による肝硬変とされていまして、原因は、半生のフナ食であると言われています。
我々も生食には気を付けないといけません。
さすがに肝硬変は怖いですが、 安心してフナの美味しさを堪能できる別の方法はないのでしょうか?
煮頃鮒
ニゴロブナは漢字で書くと「似五郎鮒」という表記だけでなく、「煮頃鮒」とも表記されます。
煮ておいしいフナですから、まさに、「甘露煮」や「煮つけ」にピッタリです。
冬の風物詩
— 川魚・郷土旬菜うおとし (@8Y0cl7nzyGkCwkx) 2019年12月13日
フナの甘露煮が煮上がりました。
水飴を使わずコトコト煮る事12時間 甘さ控えめでふっくらした口当たりが特徴です。
お節に是非ご賞味下さい。#板倉町 #うおとし #川魚郷土旬の菜うおとし #フナの甘露煮 #鮒#鮒の甘露煮 #鮒料理 #ふなの甘露煮 #お節料理 pic.twitter.com/9yyGDQCJCP
魯山人のように生や半生の状態で食べなくとも、フナのおいしさは「甘露煮」や「煮つけ」でも十分に味わえます。
フナの産地に行った際は、ぜひ食べてみてください。
真空パックでも売られています。
まとめ
・あの北大路魯山人も、フナのファンだった
・お刺身でも煮つけでも、おいしい煮頃鮒(ニゴロブナ)
・生食のリスクは、理解したうえでお願いします
北大路 魯山人(きたおおじ ろさんじん)
1883年(明治16年)- 1959年(昭和34年)
陶芸家・書道家・料理家
大正10年に創設の、魯山人自らが創作した器で、自らが料理をふるまう会員制食堂「美食倶楽部」が有名
参考