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アマゴの生態04 遡上する運命のサケ目サケ科

以前の記事では、アマゴは淡水で生活している成体(大人)であり、サツキマスは川から海へ出た成体であると紹介しました。

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専門用語では「陸封型」と「降海型」と呼ばれています。つまり陸封型がアマゴで、降海型がサツキマスです。

サケ目サケ科の仲間たち

アマゴの仲間たちをまとめました。

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すべてサケ目サケ科の仲間たちなので、幼魚には「サケの幼魚の模様」である「パーマーク Parr Mark」がありますし、降海型は体色が銀色になります(スモルト化)。

   パーマークやスモルト化に関しては生態01を参照ください。

パーマークが消えたら海へと下る準備ができたという事

shigehara-nishiki.hatenablog.com

 

またサケと同様に、アマゴの降海型サツキマスは、産卵のために河川に遡上してくる事が知られています。

ではサケ類はどのような能力を使って自分の生まれた川に帰ってくるのでしょうか。

サケの遡上(母川回帰)

ご存じの通り、サケは生まれた河川に遡上して産卵します(母川回帰)。当然の疑問ですが、どうやって自分の生まれた川の特徴を記憶しているのでしょうか?

現在ではサケは生まれた川に微量に含まれるアミノ酸の量と比率を記憶していると言われています。 

母川回帰とサケの嗅覚

北海道大学にはそれを裏付けるY字型の迷路を使った研究結果がありました。

サケの迷路実験です。

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川の中のアミノ酸の量は時期によって異なるために、実験では、降海する時期のアミノ酸(春のアミノ酸)と遡上する時期のアミノ酸(秋のアミノ酸)を使用しています。

そのどちらかをY字迷路の片方に設置すると、そのアミノ酸の方向にサケが泳いでいく傾向があることが分かります。

 

つまり、アミノ酸を認識して、進む方向を決めている訳です。

「微量のアミノ酸を嗅ぎ分けてるなんて、魚に鼻なんてあったの...?」と思う人もいるかもしれませんが、きちんと機能していることが分かります。

 

これは、鳥が生まれて初めて見る対象を「親」として覚える刷り込みの一種だと考えられています。もしかしたら同じメカニズムによる、ある時期だけのスーパー記憶力なのかもしれませんね。

まとめ

・サケ目サケ科の仲間たちは遡上する

・川を区別する能力は嗅覚がキーポイント

 

参考文献

https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/22_letter/data/news_2013_vol1/p14.pdf

https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu1962/35/9/35_9_650/_pdf

https://ja.wikipedia.org/wiki/サツキマス#アマゴ

https://ja.wikipedia.org/wiki/イワナ

https://ja.wikipedia.org/wiki/ヤマメhttps://ja.wikipedia.org/wiki/ヤマメ

https://ja.wikipedia.org/wiki/ニジマス

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