フナ13【フナユウレイロボ発見】妖怪のプロが発信する「おもしろブログ」
このブログでは世界のフィッシングメーカーSHIMANOさんの魚拓カレンダーに従って、毎月1種類の魚を選び、記事を書いています。
4月の魚拓は「ヘラブナ」でしたので、これまで「ヘラブナの生態」や「人とのかかわり」に関して記載してきました。
さて13回目の記事ですが、今回はフナユウレイロボについてです。
すいません…
いきなりフナユウレイロボと言われても分からないヒトもいると思いますので、その出会いから紹介したいと思います。
フナユウレイロボとの出会い
すべては「フナユウレイ」という妖怪を検索したところから始まりました。その時の私の認識はあいまいで、「フナユウレイ」が「鮒ユウレイ」だと思い込んで、どのように「鮒」が妖怪になったのかを調べる目的でした。
検索の結果出てきた画像がこちらです。
絵を見ていただくと分かるように、「フナユウレイ」は「船幽霊」で魚の鮒とは関係ないという事が分かりました。船幽霊は柄杓で船に水を入れて沈没させるという海の妖怪のようです。
そして、更にスクロールしていくと、そこに「フナユウレイロボ」の表示があり。一体なんの事だろうという軽い気持ちでクリックしてしまいました。
これが「日本物怪観光のブログ」に記載されていた「フナユウレイロボ」です。
失礼ながらブログから引用させていただきました。
引用:「日本物怪観光のブログ
これはなんだ…
私は、ただただ、見つめるだけでした。
始めはプラモデルみたいなモノなのかなと思っていたら、なんと作者の手作り。しかも箱まで自作しておられます。
おおよそ私の生活とは接点を持たないその作品をみて、興味と恐怖が一気に押し寄せてきました。一体何を考えてるヒトなんだろうと思いつつ、作者欄をクリック
作者はどんな人?
作者は天野行雄さんという方で、妖怪造形家をされているとの事です。
また、妖怪テーマの展示やグッズ制作や、妖怪関連の書籍の挿画、妖怪のワークショップを行っていらっしゃると記載されていました。
さらに天野さんの活動を紹介した著書に「隅田川の妖怪教室」(講談社)があり、「怪しくゆかいな妖怪穴」(毎日新聞社)、「妖怪探検図鑑」(あかね書房)などのイラストを担当されているとの事でした。
「フナユウレイロボ」の出来栄えが、完全に趣味の領域を超えているので、ちょっと恐ろしさを感じていたのですが、何故か安心しました。
とにかく設定が細かい
台座を見ていただけるとわかるのですが、何故かDX(デラックス)版という設定です。オリジナル版を知らない私たちですが、心躍る響きです。
手作りの箱の側面には、おそらくフナユウレイロボの仲間たちと思しき、3体の妖怪ロボも紹介されています。おそらく箱に書いてある④はシリーズの4番目という設定なのでしょう。
目は夜光塗料で光るらしく、手に持っている柄杓は、2種類が用意されていて、使わない柄杓は背中にさせるらしいです。
また、柄杓の水が自分たちの船に溜まらないように、船全体に甲板が張ってあるのも、現場を知り尽くしたフナユウレイらしい細やかな配慮だと思います。
追伸
この後フナユウレイロボの持っている柄杓(なぜか柄杓の底がぬけている)について調べたりしました。
底の抜けている柄杓は人間側の対応策で、それを船幽霊に渡すと船を沈められる事が無いとの事です。下は静岡県の音無神社ですが、海の安全を祈願して底の抜けた柄杓が祭られています。
すべてにちゃんとした意味があることが分かり、「これはプロの仕事だわ…」と感心してしまいました。
最後に
ヒトの創造力は無敵だと思いました。
最近のニュースでは、「近いうちにAIに仕事を奪われる」とか言われていますが、この天野さんは全くの無縁だと思います。
「日本物怪観光のブログ」、ぜひご覧ください。
天野さんの著書です。
参考
https://ameblo.jp/mononoke-kanko/entry-12398152543.html
https://rurubu.jp/andmore/spot/80022356