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【スズキを狩るミサゴ】頂点捕食者の実力(スズキ11)

日本沿岸において、最強の捕食者に君臨する魚類はスズキに間違いありません。

スズキが持っている特徴である「生きている獲物であれば何でも食べるという雑食性」と「海水から淡水までという生活域の広さ」は、彼らの地位を裏付ける生態と言えます。

それでは、河口域・沿岸域の生態系ピラミッドを見てみましょう。

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この生態系ピラミッドを見ますと、最下部の微生物から始まって、プランクトン、小魚、そしてスズキが居ますが、その上にさらに「ミサゴ」という生物がいますね。

そのミサゴですが、皆様はご存じでしょうか?

ミサゴとは

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ミサゴは禽類猛で、肉食の鳥類です。

大きさが約50cmで、トビと同じくらいの大きさです。

トビがカエル・トカゲ・ネズミなどを食べるのに対し、ミサゴの餌のほとんどは魚であり,河川,河口,海岸など水辺で多く観察されます。

名前の由来は、川や海に飛び込んで魚を捕まえる事から「水探(みさご)」と呼ばれたり、「魚鷹(うおたか)」という別名もあります。英名では「Osprey、オスプレイ」と呼ばれています。

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ミサゴ(左)とアメリカ軍用機オスプレイ(右)

ミサゴの実力

それでは生態ピラミッドの頂点にいるミサゴの「狩りの実力」とはどの程度のモノなのでしょうか?

下の写真はミサゴの巣にのこされた魚の骨です。

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(a) ボラ主鰓蓋骨および下鰓蓋骨,(b) スズキ前鰓蓋骨,(c) ウマヅラハギ第 一背鰭棘,(d) フナ属主鰓蓋骨,(e) ウマヅラハギ腰帯  引用:香川県高松市屋島におけるミサゴの食性

ミサゴが、ボラ・スズキ・フナ・ウマズラハギなどを食べている事が分かります。

写真(b)のスズキの前鰓蓋骨(ぜんさいがいこつ)は5cm程度ですがら、全長でいうと40cmは超えていると思われます。

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ミサゴが50cm程度ですから、ほぼ自分の大きさと同じ魚をターゲットにしているという事です。

ミサゴのその瞬間

ではそのミサゴの狩猟を見て頂きましょう。彼らの実力は一目瞭然です。

ボラ

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水面近くをゆったりと泳いでいる印象があるボラですから、結構大きい個体でも狩られてしまいます。

そして、ボラだけでなく、チヌやスズキもしっかり狩られています。

チヌ(クロダイ

スズキ

 これを見ると、スズキが完全にミサゴのターゲットになっているのが分かります。

 

40cmぐらいのスズキは「群れ」を作る事が知られていますが、その生態は、ミサゴから身を守る役割も果たしているのかもしれません。

続いて、ミサゴが魚をとらえる瞬間を連続写真でご覧ください。

www.youtube.com

水の中で体をうねらせて、結構なバトルを繰り広げていたんではないと思われますが、片足だけで器用に捕まえています。本当にお見事です。

まさに、生態系のピラピッドの頂点と言えるミサゴです。

 

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まとめ

・河川/ 沿岸系における生態系のピラミッドでは、ミサゴが頂点として君臨している

 

参考

https://www.n-kd.jp/content/files/handbook/4-4.pdf

https://www.hkd.mlit.go.jp/ob/tisui/kds/pamphlet/ikimono/pdf/ctll1r0000004trkmisago.pdf

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjo1986/54/1/54_1_45/_pdf/-char/en

 

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